プチ知得:帯状疱疹の原因は、水痘ウィルス
小児期に罹患することの多い、水痘(みずぼうそう)。
原因は、水痘帯状疱疹ウイルス(varicella zoster virus;VZV)によって起こる急性の伝染性疾患です。
歴史的背景から説明すると、19世紀の終わりまでは、水痘と天然痘は明確に区別されていなかった。1875年Steinerによって、水痘患者の水疱内容を接種することによって水痘が発症することが示され、1888年von Bokayによって、水痘に感受性のある子ども(未罹患の子ども)が、帯状疱疹の患者との接触によって水痘が発症することが確認され、その後1954年にThomas Wellerによって、水痘患者および帯状疱疹患者いずれの水疱からもVZVが分離されることが確認されました。
特徴的な発疹(中心部に薄皮1枚で水疱形成を伴う発赤疹)が出現し、発熱や皮疹部の掻痒を伴うことが多く見られます。
経過は約1週間で、皮疹部分は痂皮化(かさぶた様になる)して、抗体が産生され、ウィルスを中和することにより、感染力を失い治癒となります。
しかし、治癒したとはいうものの、実際にはこのウィルスはすべて体内から除去されるわけではなく、一部は末梢神経の周りに休眠する形で居座り、免疫力が低下して活動する機会を伺っている状態となります。
全身ステロイド投与や他の感染症などにより免疫力が低下することによって、ウィルスが活性化した場合、末梢神経の周りから炎症が始まるため、痛みを伴い、皮膚表面には神経の走向に従って水疱(この水疱内容にウィルスが含まれています)が散見されるようになります。この時腹部や胸部に出る場合、帯状に発疹が見られるため「帯状疱疹」と呼ばれるものとなります。
そのため上記(だいぶ上ですが…(汗))の通り、原因は水痘と同じウィルスのため水痘に罹患していない方(ワクチン未接種で)が、帯状疱疹の方と接触した場合にこのウィルスに感染して、水痘を発症する可能性があります。
学校保健法上、登校・登園停止期間は、水痘の場合『すべての発疹が痂皮化するまで、あるいは病状により、学校医その他の医師においてその病の予防上支障がないと認めた場合』となっております。
ただ、帯状疱疹の記載はこの学校保健法にはありません。(法的規制理由はない。子どもは帯状疱疹を発症することが希なため?)
しかし私個人的には、上記理由より、病状が酷い場合には他の子どもさんへの感染予防のため、登園・登校を見合わせるのがお互いの平和のため妥当であると考えております。
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